・SWS試験(旧 スウェーデン式サウンディング試験)とは
もっとも一般的な地盤調査方法であり、現在、戸建住宅の地盤調査方法としてもっとも普及しているのが、SWS試験((旧 スウェーデン式サウンディング試験)です。
2020年10月26日付でJISが改正され、試験名称がスウェーデン式サウンディング試験からスクリューウエイト貫入試験に変更となりました。
・スクリューウエイト貫入試験(旧 スウェ-デン式サウンディング試験)のJIS規格(JIS A 1221)
スクリューウエイト貫入試験は1976年にJIS規格(日本工業規格)において、原位置における土の硬軟又は締まり具合及び土層の構成を判定するための静的貫入抵抗を求める試験方法について規定され、その後、2013年に改正され、JIS A 1221:2013が制定されました。ちなみに、同試験はEN規格(欧州規格)で規格化されていますが、スクリューポイントの形状・寸法やNswの定義(日本では1m貫入のための半回転数だが、ENでは20cm貫入のための半回転数)がJIS規格と異なります。
・SWS試験の適応範囲
適応範囲はGL-10.0m~GL-15.0m程度です。軟弱な粘性土であればGL-20.0m以上の深度でもロッドを貫入させることは可能ですが、同試験では調査深度が深くなればなるほど、ロッドにかかる摩擦力が大きくなり、試験データが過大な値となります。つまり、同試験は摩擦の補正を行わないため、10.0mを超えるような調査データは精度が低くなります。15.0m以深の支持力確認を行う場合や、換算N値30以上を連続して層厚10.0m以上確認する場合は、他の地盤調査方法を採用する必要があります。
・SWS試験の流れ
1.スクリューポイント連結ロッドの先端にスクリューポイントを取り付け、ロッドに載荷装置を固定し、調査地点上に鉛直に立てて支える。
2.最初に50N{5kgf}の荷重を載荷する。※試験の目的に応じて、最初に500N{50kgf}の荷重を裁荷してもよい。
3.荷重でロッドが地中に貫入するかどうかを確かめる。貫入する場合は、貫入が止まったときの貫入量を測定し、その荷重の貫入量とする。また、このときの貫入状況を観察する。
4.次々と荷重を増加して(3)の操作を繰り返す。荷重の段階は、50N{15kgf}、250N{25kgf}、500N{50kgf}、750N{75kgf}及び1kN{100kgf}とする。※試験の目的に応じて、荷重段階を500N{50kgf}、750N{75kgf}、及び1kN{100kgf}としてもよい。
5.載荷装置下端が地表面に達したら、荷重を除荷し、ロッドを継ぎ足し、載荷装置を引き上げて固定し(4)の操作を作う。
6.1kN{100kgf}でロッドの貫入が止まった場合は、その貫入量を測定した後、鉛直方向の力が加わらないようにロッドを右回りに回転させ、次の目盛線まで貫入させるのに要する半回転数を測定する。なお、これ以後の測定は、25cm(目盛線)ごとに行う。
7.回転貫入の途中で、貫入速さが急速に増大した場合は、回転を停止して、1kN{100kgf}の荷重だけで貫入するかどうかを確かめる。貫入する場合は(3)に、貫入しない場合は(6)に従って以後の操作を行う。
8.回転貫入の途中で、貫入速さが急激に減少した場合は、それまでの貫入量と半回転数を測定し、貫入を続ける。
9.スクリューポイントが硬い層に達し、貫入量5cm当たりの半回転数が50回以上となる場合、ロッドの回転時の反発力が著しく大きくなる場合、又は大きな石などに当たりその上で空転する場合は測定を終了する。
10.測定終了後、載荷装置を外し、引抜き装置によってロッドを引き抜き、数を点検し、スクリューポイントの異常の有無を調べる。
・SWS試験の記録方法
1.荷重によって貫入が進む場合には、荷重の大きさ(Wsw)とスクリューポイント先端の地表面からの貫入深さ(D)を記録し、そのときの貫入量を求める。
2.荷重1kNで、回転によって貫入が進む場合には、半回転数(Na)に対応する貫入後のスクリューポイント先端の地表面から貫入深さを記録し、そのときの貫入量(L)を記録する。
3.貫入量に対応する半回転数は、次の式を用いて貫入量1m当たりの半回転数(Nsw)に換算して記録する。(L=25cmの場合)Nsw=4Na(半回転数1m)
4.貫入速度が急激に増大したり減少する場合には、貫入状況を記録する。
5.調査結果は荷重、半回転数、貫入量1m当たりの半回転数および試験状況に関する記事を記録する。
・N値(換算N値)の算定方法
砂質土・礫質土 粘性土 N= 2Wsw+0.067Nsw
粘性土 N= 3Wsw+0.050Nsw
Wsw : 載荷荷重(kN)
Nsw : SWS試験における1.00mあたりの半回転数(回)
※稲田式(「地盤調査の方法と解説」:地盤工学会)
・試験の長期許容支持力度の算定方法
qa=30Wsw+0.6Nsw(建築物の構造関係技術基準解説書:国土交通省住宅局他監修)
qa:長期許容支持力度(kN/m2)
Nsw:基礎下2.00mの範囲の平均Nsw ※150を超える場合は150とする。
Wsw:基礎下2.00mの範囲の平均Wsw
※推定土質力が複数になる場合は、各土質の層圧においてNswを算定。算定したNswの内、最小値を採用する。